実は、古家には「修繕すれば十分使える物件」と「絶対に買ってはいけない物件」が混在しています。
本記事では現地でそのまま使える50項目のチェックリストを、購入の判断に必要な順序(致命的NG→軽度の劣化→高額修繕)で整理しました。
PDFも用意していますので物件見学に持っていって使ってください。
買う前に絶対に確認すべきポイント
購入前に必ずチェックしておきたい「大前提」を3つに絞りました。これが満たされない物件は投資対象から外すのが無難です。
- 再建築可かどうか:接道が2m未満など、再建築不可の可能性があると資産性が大きく下がります。
- 修繕費の概算が出せるか:最低限の修繕で住めるのか、全面改修が必要かを判断。
- 土地値が底堅いエリアか:最悪解体して土地で回収できるかどうか。
致命的NG項目(絶対に買ってはいけない家の条件)
以下のうち1つでも該当する場合、初心者は基本的に「買わない」判断を推奨します。
構造・基礎
- 基礎に貫通する大きな亀裂(貫通クラック)
- 沈下や大きな傾き(ドアが閉まらない/ボールが転がる)
- 白アリ被害が柱まで広がっている
- 床が大きく沈む、歩行で揺れる
- 土台の著しい腐食
- 雨漏りが多数・長期放置されている
- 屋根に大きな欠損・破損
- 水道配管の完全破損
- 電気配線が危険な状態(火災リスク)
- 擁壁に明らかな膨らみ・亀裂(崩落リスク)
法令・敷地関係
- 再建築不可(接道不足)
- 過度なセットバックが必要になる
- 越境(隣地との明らかなトラブル)
- 違法増築の可能性が高い物件
修繕すればOKな「軽度の劣化項目」
これらは修繕費用が比較的抑えられるため、安く買って直すことで利益が出ることが多い項目です。
内装
- クロスの剥がれ・汚れ(張り替えで対応)
- フローリングの小さな傷(部分補修/上貼り可能)
- 畳の劣化(交換で解決)
- 天井の軽度のカビ(クリーニングで対応)
- 建具の立て付け不良(調整で改善)
- 窓枠やサッシのガタツキ(調整・交換)
- 排水の流れが悪い(高圧洗浄や部分交換)
外装
- 外壁の軽度クラック(補修+塗装が基本)
- 雨樋の破損(部分交換)
- バルコニーの軽度劣化(防水補修)
- 軒天のめくれ(局所修理でOK)
大規模修繕が必要な「要注意項目」
これらは見積りを必ず取るべき項目。費用が膨らみやすく、購入判断に直結します。
水回り関連
- 浴室の全面交換が必要なレベル
- 給湯器が寿命(10年以上)で交換必須
- 配管が古い鉄管で多数のサビ・漏水
- 下水接続がされておらず、下水工事が必要
外装・構造
- 屋根の全面葺き替えが必要
- 外壁の広範囲なクラックで塗装だけでは済まない
- 基礎補強が必要(構造補強)
- 断熱がほぼ無い状態(断熱改修は高額)
その他
- 庭の伐採・伐根が大量に必要
- 家全体の配線を全面交換(古い電気設備)
周辺環境と収支チェック(投資用)
投資目的の場合は、建物の状態だけでなく周辺情報と収益性を必ず確認してください。
立地・生活利便
- スーパー・コンビニ・病院までの距離
- 最寄駅までの所要時間(徒歩何分か)
- 道路幅員・交通量(車での生活は可能か)
- 治安や夜間の様子
収益性
- 周辺の家賃相場
- 空室率・入居の見込み
- 将来の再販性(地域の人口推移・再開発など)
- 解体して土地売却した場合の土地値
現地チェックで失敗しないためのコツ
- 写真は100枚以上撮る(外観・基礎・床下・屋根・配管など)
- 初見で決めずに一度冷静になる(感情で買わない)
- 修繕費は必ず複数業者から見積もりを取る
- 可能ならプロ(大工・建築士)と一緒に見る
- 「直せる・直せない」をリスト化して判断基準を明確にする
修繕費の目安一覧(保存版)
※費用は地域・業者によって上下します。目安としてご利用ください。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| クロス貼替(1室) | 3〜6万円 |
| フローリング上貼り/張替え | 10〜25万円 |
| 畳交換(1枚) | 4,000〜9,000円 |
| キッチン交換 | 25〜80万円 |
| トイレ交換 | 8〜20万円 |
| 浴室交換 | 50〜120万円 |
| 給湯器交換 | 10〜25万円 |
| 屋根葺き替え | 80〜200万円 |
| 外壁塗装 | 70〜150万円 |
| シロアリ防除 | 10〜20万円 |
チェックリストPDFダウンロード(現地で使えるA4)
現地で書き込みができるA4チェックシートを用意しています。PDFは無料でダウンロード可能です。
※プリントして物件見学に持って行けます。法人利用や二次配布を希望される場合は事前にご連絡ください。
まとめ:致命的NGを避ければボロ物件で勝てる
ボロ戸建ては「致命的NG」を回避するだけで勝率が上がります。軽度の劣化はリフォームで安く直せるため、むしろチャンスになることが多いです。本記事のチェックリストを現地で活用して、安全な物件選びをしてください。
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- 修繕費の概算
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